【スピンオフ企画】『夜明けの旅団』時代考証を大公開 ⑧(2019/04/11)


月刊「モーニング・ツー」(毎月22日頃発売)にて絶賛連載中の、片山ユキヲ氏が描くダークファンタジー漫画『夜明けの旅団』

第二次世界大戦中のヨーロッパを舞台に、“死霊”と呼ばれるリビングデッドとの戦いを描く本作は、ファンタジーでありながら時代考証にもこだわり、丁寧な「歴史描写」を続けています。

この作品の時代考証を務めるのが、かわぐちかいじ『ジパング』野田サトル『ゴールデンカムイ』三田紀房『アルキメデスの大戦』などに携わる歴史作家・時代考証家の後藤一信氏です。

本企画では、『夜明けの旅団』の原稿をチェックした後藤氏による「時代考証」を、インタビュー形式の記事で毎月公開していきます。




『夜明けの旅団』第13話を時代考証の視点でチェック!

——月刊「モーニング・ツー」2019年5号(3月22日発売)に掲載されている、#13「Desperado」をお読みになっての感想を、時代考証の視点から教えてください。

後藤 「ミュンヘン編」を通して描かれてきたのは、ドイツ人とユダヤ人が共に助け合う姿でした。実際の第二次大戦下のドイツでは、ナチ党(国家社会主義ドイツ労働者党:ナチス)による一党独裁体制のもと、徹底したユダヤ人差別が実施され、人種隔離政策(強制収容)、並びに民族浄化(虐殺:ホロコースト)まで実施されました。ユダヤ人をドイツ国民の“敵”と設定することで、国民の不満を解消する“生け贄”としたのです。結果、ナチ党の差別政策に異を唱えることすら罪とされる、異常な同調圧力が生まれました。まさに「触らぬ神に祟りなし」といった状態です。しかし『夜明けの旅団』では、「死霊」という人類共通の敵が発生したことで、ドイツ人もユダヤ人も「呉越同舟」、共に戦う仲間となります。そして今話では、ついにミュンヘンでの死闘に決着がつき、同時に彼らの絆の強さも描かれたのは、悲劇的な歴史へのアンチテーゼとして非常に面白いですし、不幸にして敵味方に別れた者同士も必ず分かり合えるという、片山先生の熱いメッセージを強く感じました。人々は必ず、手を取り合い、前へと進むことができる。私も、そう生きたいと心より思いました。







時代考証家・後藤一信氏のお墨付き、
単行本①・②巻大好評発売中です!

来月の「時代考証」も、乞うご期待!




後藤一信(ごとう・かずのぶ)

軍事関係を得意とする歴史作家・時代考証家。監修・時代考証などで携わった作品は、『ジパング』(かわぐちかいじ)、『ゴールデンカムイ』(野田サトル)、『士道サンライズ』(髙橋ツトム)、『アルキメデスの大戦』(三田紀房)、『決闘裁判』(宮下裕樹)、『夜明け後の静』(石川秀幸)、『群青戦記 グンジョーセンキ』(笠原真樹)、『新説!さかもっちゃん』(柳内大樹)など多数。プレイステーション版『沈黙の艦隊』では監督を務めた。
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プロフィール

片山ユキヲ(かたやま・ゆきを)
兵庫県生まれ。代表作に、『花もて語れ』『ふろがーる!』(以上、小学館) 『空色動画』(講談社)など。

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