ストーリー

主人公のハナは、入院中の祖母の看病を献身的に行っていた。一方、姉のアキは、仕事にかまけてばかりで、あまり祖母を心配しているように見えなかった。そのことが、ハナは不満だった。だがある日、祖母が亡くなり、その斎場で姉の意外な姿を見かける——。

森高夕次氏より

作中に姉と妹を登場させると、描いた本人は描き分けたつもりでも、同じキャラクターに見えてしまうことが多々あるんです。でもこの作者は明確に描き分けられていて、その点だけ見ても次元が高いことが分かります。ただし、応募作としてはとても次元が高いのですが、おとなしい絵柄なので、モーニングに載ったとしても他の作品に比べてあまり目立たないのではないでしょうか。読者の記憶に残るには、もっと力強い線で描いた方がいいと思います。

東村アキコ氏より

ストーリーはよくある話だし、演出も特に斬新なことはしていないんですよ。それでも結局最後まで読まされて、感動できたんです。登場人物の心理描写もこまやかだし、髪の毛一本に至るまで神経をとがらせて描いていて、キャラクターがいきいきとしているので、話がすっと頭に入ってくるんですよね。言葉で言うのは簡単ですが、このクオリティまで到達するのは、実はとても難しいんです。今回の最終選考作品の中では、最もプロの作品に近いと言えるでしょうね。

モーニング編集長より

大部屋俳優だけでとった低予算映画のような作品。だが、それでも人のこころを動かせるところが漫画の面白さだ。話もどこにでもころがってるようなもの。絵も一見ふつうだが、人間という存在に対する活き活きとした好奇心が、この作品に命を吹き込んでいる。単純な「いい話」ではなく、酷薄な部分も含めて人間を丸ごと肯定しているこの感じ。「ふつう」の絵がどんどん魅力的に見えてくる。「漫画って面白いよなあ」と思わせてくれる、読むと元気が出る大賞にふさわしい作品だと思う。

受賞のことば

祖母の家を思い出しながら描きました。これからも自分の経験を生かした漫画を描いていきたいと思っています。ここまで応援してくれた家族と友人に感謝してます。ありがとうございました!!(伊澤氏)

担当編集より

人物の表情や身体のラインなど画力がとても高く、丁寧な心理描写も素晴らしい! イメージしたシーンをすぐさま絵におこせる能力も稀有だと思います。


わかりあえたら(2015/01/16)

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プロフィール

伊澤わさ子(いさわわさこ)
東京都・23歳