ストーリー

困窮生活を送る郷太郎。武士として生きる父親によれば、すべては島田という男のせいだという。彼を殺さずには生きていけないと憤る父と郷太郎は、ついに襲撃の日を迎える。

森高夕次氏より

ストーリーに関して言えば、僕は今回の最終選考作品の中で一番好きでした。仇の子供を引き取って、自分の子供と兄弟のように育てるという、時代劇に恰好の題材を選んだところに作者のセンスを感じます。ただ、僕も演出が過剰だったように思います。表情を見せようとして、どうしても登場人物の顔を描きたくなるのは分かるのですが、顔のアップが多すぎると子供っぽくなってしまうので、ヒキの絵も上手く使ってもう少し抑制された表現になるとより良いと思います。

東村アキコ氏より

作者のやる気はビシビシ伝わってきました。ただ、そのやる気が空回りしてしまったのか、演出が大きすぎて、次の展開が読めてしまうシーンがいくつもありました。たとえば主人公のお父さんが仇討をしようとするシーンで、我を忘れて「殺す」って連呼していたら、この後仇討は失敗するんだろうな、ってすぐ分かってしまいます。もっと演出に緩急をつけて、読者が展開を予想できなくすると、面白く読めるようになるのではないでしょうか。

MANGA OPEN事務局長より

題材の勝利だと思います。親の仇と一つ屋根の下に暮らす郷太郎の中に芽生えたものが簡単には想像できず、一番続きを読みたいと思った作品でした。ただ、両先生がおっしゃる通り演出が過剰でやや状況がわかりにくいシーンも多かったです。もう少し意識してロング、ミドル、アップを使い分けてわかりやすく描ければ、もっと面白い作品になっただろうなと少し残念でもあります。独特の感性にわかりやすさが加われば大化けするのでは……と期待してしまいます。

受賞のことば

ありがとうございます。漫画が完成して自信がついたので、職場の上司に給料を上げてくださいといったら無職になりました。(小三島氏)

担当編集より

狂気的な話へと展開していくさまが素晴らしいです。これからも読者の期待を裏切り続けてほしいです。


お見事! 郷太郎(2015/01/16)

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プロフィール

小三島武良(こみしまむら)
埼玉県・28歳