ストーリー

赤子の頃、池坊(いけのぼう)専永(せんよう)に拾われた道慶(どうけい)は、野に咲く花をも思いやる優しい心の持ち主。それを見込まれ専永に、観音様に供える花を用意する、「花番」の役目を任されるが……。

東村アキコ氏より

一見すると地味な作品だと思うかもしれません。でも背景などをすべてカケアミで描いていながら、漫画としてちゃんと読むことができるのは、作者の絵がものすごく上手いからです。私よりも上手いかもしれないな。ストーリーもきちんと読めば感動的で、私は今回の選考で読んだ中では一番好きでした。一つ言うとすれば、せっかく主人公が実在の人物なんだから、『一休さん』で言うところの足利義満や新右衛門さんのように、もっとサブキャラクターにも実在の人物が登場したほうが、読者の目を引きやすいのではないでしょうか。

森高夕次氏より

歴史上の人物が世に出る前にこういうエピソードがあった、というような題材の作品って、モーニング読者は好きだと思うんですよ。ただ、欲を言えばもっと毒がほしいです。作者はこの作品のテーマの一つである、「美しいもの」を、そのまま美しく描いているんですね。もし美しいものを描きたいなら、あえて汚いものを描いて対比させることで、より作者の描きたいことが際立つと思います。

MANGA OPEN事務局長より

地味ですが読ませるモーニングらしい作品だと思います。ひたむきな主人公は物凄く魅力的で応援したくなりました。ただクライマックスのシーンには物足りなさも。モブの反応で無理矢理納得させられた印象ですが、主人公が供えた花の素晴らしさを絵とコマで演出する「発明」をして欲しかった。途中、花に刀を入れるシーンがとても鮮やかだっただけに惜しいなと思いました。

受賞のことば

この度は「東村アキコ賞」を頂き有難うございました。花好きが高じ、史実を参考に創作しました。ご協力・ご助言頂いた皆様、審査して頂いた先生方、編集部の皆様方、有難うございました。花に見習い精進します!(野﨑氏)

担当編集より

主人公の魅力が初登場シーンで見事に伝わる作画&演出にしびれました。難しい題材を平易に描く手腕も見事!


花法主(2015/01/16)

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プロフィール

野﨑慎一郎(のざきしんいちろう)
京都府・46歳