カレー沢薫 負ける技術

「モーニング」「モーニング・ツー」にて、鮮やかな連載ぶりと打ち切りぶりで多大な反響を呼んだプロレタリアート社会派猫ちゃん漫画『クレムリン』を描くカレー沢薫。
リア充を憎み、担当編集者を恨み、過去の自分も処刑する。
傑作『クレムリン』『バイトのコーメイくん』の裏でひっそり濃厚に書きも書いたり、呪詛と後悔に充ち満ちたエッセイ140本。
2011年11月から2013年3月までモーニング公式サイトに連載された伝説のWebエッセイが、ついに書籍化!(2014年1月15日頃発売)
当サイトでは掲載分より冒頭の5話を試し読み公開いたします!

#002 草食系男子(2014/01/10)

──2009年3月7日記す

今さらに過ぎるかもしれないが、「草食系男子」という言葉が苦手だ。

もちろん草食系の人が嫌いという意味ではなく(むしろ、腰を荒縄で縛り、丼で濁酒を飲むような肉食系よりはタイプと言える)、メディアが作った草食系男子の定義みたいなものが嫌いであり、もっと言うなら、草食系男子を代表するこのエピソードが嫌いだ。

詳細は忘れたが、女友達と終電を逃したら、草食系男子はラブホに泊まるが何もせずに寝る、というのだ。

すべてが中途半端で全身七分丈のような話である。

たしかに、終電過ぎても居座った挙句、「ノコノコついてきたズべ公に俺様の大事なモノが預けられるか!」という気持ちはわかる。

しかしそれなら、女をタクにぶち込んで、自分は漫喫でも決め込めばよいではないか。女だってラブホに入るからにはそれなりの覚悟と期待があるというのに(かよわい女、など存在しない気がするので)、なんちゅう恥をかかせるのだ。

それにしても、性欲がまったくない人間というのは本当に存在するのだろうか。

いるとすれば、こちらがなんとしてでもタダでエロ動画を見ようとしているあいだ(膨大な時間)、一体何をしているのであろうか。マルクスでも読んでいるのか。

ガンガンに差をつけられているようで恐ろしい。

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プロフィール

カレー沢薫
カレー沢薫(かれーざわかおる)
第26回MANGA OPENに、本名・無題で猫漫画を応募。惜しくも落選したが、ごく少数の編集者の強力な支持により、月刊「モーニング・ツー」で連載決定。自ら筆名をカレー沢薫、題名を『クレムリン』と改める。カルトな人気を獲得し、「モーニング」本誌でもW連載開始。ツーならびにモーニング公式サイトで連載されたコラム『負ける技術』は、単行本発売後、ほぼ即日重版を達成。
「週刊Dモーニング」初のオリジナル連載、『やわらかい。 課長 起田総司』が絶頂連載中。単行本①巻恍惚発売中。
主な作品に『クレムリン』(モーニングKC・とりあえず全⑦巻)、『バイトのコーメイくん』(同・全③巻)などがある。『クレムリン』出張版・東京都写真美術館ニュース別冊『ニァイズ』も好評継続中(モーニングKC発売中)。
Twitterのトップ画像に「死にたい」と書かれているがウソ。

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  • もっと負ける技術 カレー沢薫の日常と退廃 (講談社文庫)

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    もっと負ける技術 カレー沢薫の日常と退廃 (講談社文庫)

    カレー沢薫

    発売日:2016/07/15
    定価:本体650円(税別)

  • 負ける技術 (講談社文庫)

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    カレー沢薫

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