GIANT KILLING extra

ツジ╳ハラトーク with サノミキ ―ロシアワールドカップSP③―(2018/06/28)


ロシアワールドカップを戦っている日本代表は、コロンビア戦の勝利に続き、セネガル戦にも引き分け、決勝トーナメント進出への機運が高まっている。いよいよグループステージもポーランド戦のみ。

今回の「ツジ╳ハラトーク」も、現地ロシアにいるカメラマンの佐野美樹 サノミキ に連絡することに。ただ、前回のトークから、それほど時間が経ってないため、ネタがない緊急事態。

困った佐野美樹はスーパースターを激写した、取っておきの写真を出すことに……。


原田大輔 いやー、セネガル戦は二度もリードされながら、よく日本は追いつきましたよね。

ツジトモ ホントだよね。近年でも、日本代表のベストマッチだったんじゃない?

原田 現地で撮影したあいつは、さぞや、いい写真撮れたんでしょうね。

ツジトモ 早速、電話してみようよ。



………いつものように、ロシアにいる佐野美樹に電話をかける。



佐野美樹 おっす! モスクワに帰還した佐野でーす。あの……先に言っておくと、前回話してからさほど時間が経っていないから、そんなにネタがないからね。

原田 とはいえ、日本対セネガルの大一番を撮影したんだから、そこで感じたことがあるでしょう!

ツジトモ そうだよ。注目していた柴崎岳選手が活躍していたしさ。なおさら感慨深かったでしょ?

佐野 もちろん、撮りましたけれども……。

原田 さては、相当ネタがないな……。




セネガルとの熱戦が繰り広げられたエカテリンブルク・アリーナ。佐野美樹がロシア入りした開幕当初は寒かったが、今ではすっかり夏の気候になったとのこと。



エカテリンブルク・アリーナは、ゴール裏のスタンドがスタジアムから飛び出しているのが印象的。



ツジトモ 現地で取材しているメディアの雰囲気はどんな感じなの?

佐野 これがまたカメラマンと記者だと、ちょっと温度が違うんだよね。特にFIFAの大会になると、試合会場の導線も全く違うからさ。

原田 カメラマンはミックスゾーンに入れないもんね。

佐野 そうなのよ。だから、選手が試合後に何を話していたとか、どういう雰囲気で受け答えしていたのかを知ることができないんだよね。

ツジトモ そうなのかぁ。

佐野 引き分けただけでも、日本にとっては十分な結果だと思うし、内容的にも勝てた試合だったとも思うけど、そもそも試合を撮るときって仕事だから冷静に見るというか、一喜一憂するということがないんだよね。

ツジトモ さすがプロですな。

原田 記者もそうだけど、どこかでフラットに見ようとするというか、一歩引いて冷静に見ようとするもんね。

ツジトモ 確かに言われてみたらそうかも。僕も試合を見に行ったときは、ゴールが決まった瞬間も、いろいろなところ見ようと思って冷静になってるかも。

佐野 セネガル戦はバックスタンドのタッチライン沿いで撮っていたんだけど、乾貴士選手のゴールは、ちょうど香川真司選手が被っていてシュートシーンが撮れなかったんだよね。だから、ひとしきり選手たちが喜んでいるところを撮影した後、カメラマンのみんなで「被らなかった?」って言う会話になる。私の横にいたカメラマンはだいたい被っていて、「オレはギリギリ撮れたよ」っていう人がいると、「そこのエリアからが(ゴールシーンを)撮れたのかぁ」って会話になる。

ツジトモ そんなやりとりが繰り広げられてるのね。

佐野 セネガル戦は、乾選手のゴールだけでなく、本田圭佑選手の同点弾も被ってたんだよね。乾選手がボールを折り返して、岡崎慎司選手がニアで潰れていたから……。

原田 タッチライン沿いから見てると、本田選手に岡崎選手が被っていたということか。

佐野 そうなのよ。しかも、ゴールを決めたとき、だいたいみんなベンチのあるメインスタンド側に走っていっちゃうから、後ろ姿ばっかりなんだよね。振り返って、バックスタンド側を向いてくれないと撮れないのよ。撮れた写真送るね。

原田 (写真を見て)なるほどね。乾選手が振り返って喜んでいるから撮れてるのね。




セネガル戦で1点目を決めた乾貴士選手が歓喜する瞬間。言い訳(説明)のとおり、シュートシーンは他の選手が被ってしまって撮影できず。



続いて本田圭佑選手がセネガル戦で同点弾を挙げ、チームメイトが駆け寄る光景。長谷部誠選手は2得点とも、しっかり選手を激励。さすがキャプテン!



話題になった本田圭佑選手と岡崎慎司選手の敬礼ポーズ。経験豊富なふたりの選手は、途中出場からチームを引っ張っている。



ツジトモ これはいいねぇ。僕みたいにスパイクの裏が見たい人にとってはたまらない。

原田 注目するの、そこですか? さすがですね(笑)。

佐野 そこ、見たがる人なんて滅多にいないでしょ(笑)。

ツジトモ どうしても、そういうところを見ちゃうんだよね(笑)。テレビで見てると、日本のサポーターがかなり多く見えたけど、どうだったの?

佐野 セネガルのサポーターは、かなり少なかったね。現地の人たちも多くて、誰かからもらったのか日本のハチマキを巻いてる人も多かったかな。第1戦とはちょっと会場の雰囲気も違ってたよね。でも、それ以上に感じたのは選手たちの表情。やる気と自信がみなぎってた。

ツジトモ やっぱり、そうなんだね。

佐野 それだけ第1戦に勝ったという事実が大きいってことなんだろうなぁって、試合前に思ったからね。それがプレーにも表れてた。柴崎選手にしても、スーパーだったけど、それを今までやっていれば!って思ったもん。

ツジトモ それは思ったかも。みんながみんな、自分の持ち味が全開に出ていた気がする。

原田 昌子源選手もあのエムバイェ・ニアンに一対一で負けなかったりと、全員の長所がすべて良い方向に出ていた。

佐野 そういえばさ。試合前にセネガルのサポーターも撮影したいなって考えて、スタジアムのゲートのところまで行って、声を掛けようと思ったのね。

原田 がんばって働いてるじゃん!

佐野 当たり前です! そこに奇抜な格好をしたセネガル人の男性が来たから、思い切って撮影させてくださいってお願いしたんだよね。そうしたら何か一生懸命言っているなって思って、よくよく聞いてみたら……。「撮影するなら、お金をよこせ」って言うんだよ! それを言われて、個人的にはセネガルに負けたくないって思ったよね、私! そこで闘志に火がついた。

ツジトモ そこで燃えたのかよー。

原田 それで「撮影料を支払った写真がこちらです」っていうのはないの?

佐野 ないから! 撮らないから!

原田 佐野がネタ収集をサボってるから、ちょっと真面目な話もしますか。

佐野 サボってるんじゃなくて、時間がなかったの!

原田 いよいよグループステージ最後のポーランド戦。第2戦を終えて勝ち点4を得た日本は、ポーランドに引き分け以上で決勝トーナメントに進出できる状況になりました。

ツジトモ ポーランドはすでに2敗していてグループステージ敗退が決定。相手のモチベーションをどう計るか難しいところだよね。第2戦に関して言えば、コロンビアも最高のゲームをしたからね。ハメス・ロドリゲスとファン・クアドラードのコンビといい、見たかったコロンビアのプレーが見られた試合だった。

佐野 コロンビアとセネガルの一戦も熱いゲームになりそうだよね。ただ、切実な私の思いとしては……何が何でも日本には1位抜けしてほしい!

原田 ん? 切実? 言い方が怪しいな。あっ……分かった。日本が1位抜けだと、ラウンド16の試合会場が……。

佐野 あっ、ばれた? そうなの。1位抜けだと、モスクワのスパルタク・スタジアムでの試合になるから、移動しなくて済むんです! 切実!

ツジトモ ポーランドに勝てば間違いなく1位通過だもんね。

原田 試合直後にもツジトモさんと話しましたけど、このチームはうまく引き分けを狙えるようなチームではない。だから、ポーランド戦も、まずは勝ち点3を目指した積極的なゲームをしてほしいですよね。

ツジトモ 狙って引き分けるのは、かなり守備が堅くないと難しいもんね。でも、セネガルよりも、もともとポーランドのほうがやれるという思いがあったはずだから、多少、選手を変えても戦える気はする。さすがに2試合連続で試合に出ている選手たちは疲労困ぱいだと思うし。ただ、西野監督のここまでの戦い方を見ていると、メンバーを変えない気もするしなぁ。どうなるんだろう。

原田 2試合を見た限りでは、交代選手も似た流れでしたからね。

ツジトモ あと、西野監督のことで言えば、アトランタ五輪のときは2勝1敗で決勝トーナメントに進出できなかったという思いがあるから、絶対にポーランド戦は勝ちに来るという見方もあるよね。

佐野 ちょっと話はポーランド戦からそれるんだけどさ。

原田 なに、なに? ネタあった?

佐野 この一連の写真を見て、楽しんでよ。

ツジトモ スーパースターじゃないですか。

佐野 ディエゴシリーズなんですけど。クロアチア戦の試合前に、(リオネル・)メッシのユニフォームをみんなに見せて、ぶんぶん振り回してたんだけど、すごい気合の入りようだったんだよね。




アルゼンチンの英雄ディエゴ・マラドーナ。偉大なるレジェンドは、現スターのリオネル・メッシのユニフォームを見せて盛り上げようとする……。



メッシのユニフォームを見せたマラドーナは、それをぶんぶん振り回してサポーターを鼓舞する。



あまりのテンションの高さに撮影していた佐野美樹はちょっと引いたとか……試合は0-3で敗れ、さすがのマラドーナも意気消沈していた。



原田 こんなに高いテンションで応援しているんだね、ディエゴ……。でも、この試合があの0-3だったのか。試合後にがっかりしている写真はないの?

佐野 さすがに試合が終わった瞬間は、選手を撮影してるからないんだよねぇ。そのかわり、切ない写真ならある。

ツジトモ ホントだ。これは切ない一枚だね。

佐野 ただ……この写真、メッシにピントを合わせればよかったと後悔した一枚です。試合が終わった瞬間、ちょっとだけ振り向いて、すぐにロッカールームに消えていっちゃったんだよね。

原田 ワールドカップは波乱あり、躍進あり、本当にドラマがありますよね。




アルゼンチンに勝利したクロアチアの選手たちが、歓喜の抱擁を交わす後ろで、切なそうにピッチを去っていくメッシ。



試合に敗れた要因はメッシひとりにあるわけではないが、背負っている重圧を考えると思わず心が痛くなる。ただ、それがエースの宿命というもの……。



果たして日本代表は、
2大会ぶりの決勝トーナメント進出を
決めることができるのか。

さらには佐野美樹の希望どおり、
ラウンド16の会場はモスクワになるのか……

次回は決勝トーナメントのどこかで!⚽


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